セルビアの警察によって聖職者ブラニスラフ・ペラノヴィチの身柄が拘束された。容疑は、麻薬依存症治療のため自分の元にかよってきていたニボイシャ・ザルペッツの殺害だ。被害者の死体は、リハビリ施設から2キロ離れた所にある家の中で発見された。調書によると、患者は休みの日に何日か施設を離れていた。ペラノヴィチは、施設に戻ってきた患者が、休暇の間に麻薬を使ってしまったのではないかと疑いをかけ、言い争いっているうちに、ザルペッツの頭を杖で何度も打ちすえ死に至らせたのだ。
事件を起こした後、ブラニスラフ神父は警察を呼んだ。リハビリ施設に到着した警官たちはそこで働いている聖職者全員を拘束した。その後、事件を起こした張本人は供述を拒んでいる。
興味深いのは、ブラニスラフ・ペラノヴィチが事件の3年前に広くその名が知れていたことだ。彼は、インターネットで公開された2007年撮影の映像の中で、麻薬使用をやめさせようと患者たちをシャベルで打ちすえていた。それに対して当時、マスメディアや人権擁護団体の人々から非難の声が上がったが、それにもかかわらず、聖職者を守ろうと立ちあがったのは多くの元患者だった。麻薬をやめさせてくれたのは他でもないこのようなやり方だけだったと元患者たちは主張した。ペラノヴィチ自身、肉体的懲罰は例外的処置であり、患者がむやみやたらに規則や施設の決まりを破った時とか、施設内に麻薬をもちこんで使った時に限ると述べ、当時からすでに、このような治療法をやめるようにという要請など断固受け入れないという態度を貫いていたのだ。
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